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母子篇 第1話 アタッチメントと触覚刺激

母子篇 第1話 アタッチメントと触覚刺激


ヒトが育つために必要なものとは?

双子の赤ちゃんの事例が示してくれた「ヒトが育つために必要なもの」とはなんでしょう?
与えられる「栄養」はもちろん必要です。が、それだけでなく肌を通じた他者との触れ合いの「刺激」などもとても重要なんです。

肌を通じた刺激(触覚)、母乳やミルクを飲む時に自分の身体のどの筋肉にどんな力が加わっているかを感じ取る感覚(固有感覚)、抱っこされてゆらゆらしている感覚(前庭覚)。これらの「刺激」が脳を成長させ、下の積み木の絵のように、言葉・学習・運動などの高度な活動の基礎をつくることがわかっています。

イラスト:「感覚統合」とは? 発達障害との関係、家庭や学校でできる手助けまとめ( https://h-navi.jp/column/article/35025964 )より許可を得て転載 (C) 株式会社LITALICO, LITALICO発達ナビ


抱き癖がつくから……?

こんなにも大事な母と子の肌を通じた触れ合い。なんとこれが「必要ない!」として否定されてしまっていた時代が過去にはありました。そのころは「抱き癖がつくので泣いても抱っこはダメ」、「赤ちゃんが求めても時間が来るまで授乳してはダメ」、「添い寝ダメ」、のダメづくし。早くに乳離れをして離乳食とするのが良い、母乳より人工乳が良い、などといった育児方法が提唱されていました。これらはキッパリと、過去の遺物と考えて良いと思います。

赤ちゃんは、抱っこしてもらうことで母親の肌のぬくもりを感じます。優しさや安心感を得ることで健全な愛着を形成して、他者への信頼感や安心感を獲得していくのです。
すなわち、”抱っこ”は、親(特に母親)と赤ちゃんの基本的な関係や信頼感が構築される場であり、赤ちゃんの心身発達の促進に大きな影響を与える行為とされています。
また、わが子を抱っこすることで、お母さんも幸福感を感じることができます。大いに親子でぺたぺたなさって下さい。


歯科からのご提案 お口に指をいれてみましょう

歯科医が提案する「最強の愛着形成方法」をご案内します。それは「赤ちゃんのお口の中に指を入れてみること」です。
え!そんなことをしたら不潔!?とんでもありません。
昔から「赤ちゃんは畳の目をなめなめして育つ」と言われてきました。畳に住み着く適度なバイ菌が、赤ちゃんの腸管のリンパ系の働きを心地よく刺激して、過不足ない免疫態勢が整うのです。
お口は、身体のなかで最も敏感な器官のひとつです。
敏感だからこそ、お口を通じて触れ合う遊びにはとても大きな意味があり、脳や感覚、愛着の形成を大いに進歩させるのです。

注意としては、赤ちゃんのお口はとても敏感なので、いきなり指を入れると赤ちゃんはビックリしてしまうでしょう。まずは口の外から頬のあたりを刺激して、慣れてきたら指をお口に入れるようにしてください。気長に急がず続けてみて下さいね。
詳しくは下の動画をぜひご参照下さい。
お口を使ったこの遊びは赤ちゃんの離乳食の進みを促して、歯ブラシ好きな子どもに育つことが知られています。
ぜひお試しあれ!



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