3020186月
母篇 第3話 妊娠中のお口トラブル歯肉炎①-1

母篇 第3話 妊娠中のお口トラブル歯肉炎①-1

妊娠中に歯科治療を受けてもいいの?

妊娠中はホルモンバランスの変化だけでなく、お腹の中に赤ちゃんがいることで体の重心バランスも変化しやすいもの。これらが原因で歯ぐきが腫れたり、強い噛みしめを受けて歯の詰め物が歪んで外れたり、歯がかけてしまったりすることは珍しいことではありません。

「さて歯医者に行こう!」と思っても、「ん!?妊娠中って歯の治療できるのかしら?「お腹の赤ちゃんに影響は?」と思われる方は多いのではないでしょうか。スマホで検索すると、「治療できる」というサイトもあれば「できない」というサイトも。せっかく重い腰をあげて歯科を受診しても、悲しいことに治療を断られるケースもあると伺ったこともあります。「それなら行かないわ」と、歯の問題は解決されず放置される傾向にあるようです。
ホントのところ、妊娠中に歯科治療を受けることはできるのでしょうか?安定期(16週)から行えば問題はありません(母体と胎児への影響を考慮して)。詳しく知れば不安も払拭されますね!

妊娠中でも服用できるお薬があります

お薬の服用も可能です。歯科で処方される薬で気をつけるものはロキソニンなど(NSAIDS)と呼ばれるお薬です。きちんと妊娠中であることを伝えて服用可能か医師に相談しましょう。

授乳中のお薬について

授乳婦が内服したお薬は母乳に移行しますが、その量は微量であり乳児に与える影響は少なく、ほとんどの薬が授乳可能と言えます。母乳育児には数多くのメリットがあります。不要に授乳を中止すると、作られる乳汁の量が減ってしまうので避けましょう。 歯科で処方される化膿止め(抗菌薬)や痛み止め(解熱鎮痛薬)は、乳児に影響するほど母乳中には移行しないことが分かっているので、服用しても授乳することができます。


痛みや不快感を我慢せず、信頼のできる歯科医師や歯科衛生士に相談を

以上のことからわかるように、妊娠中・授乳中のお母様は歯科治療を受けていただくことができます。痛いのを我慢するのではなく、きちんと信頼のできる歯科医師や歯科衛生士にお口の整備について相談して、これからの子育てに備えるようにしましょう。

出典
「妊婦の口腔内環境変化と安心安全な歯科治療 ~マイナス1歳からの口腔管理~」児玉実穂 日本歯科医師会雑誌 Vol.70.No.6.2017-9.



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